神がそれを望んでおられる
「2人のローマ教皇 (英語原題:The Two Popes)」観ました。
Netflix映画です。Netflix映画は製作と制作が一つの会社の中で行われているせいか、企画の作りこみが甘い作品がときどきあるのですが、この作品は面白かったです。映画館で上映しても鑑賞に堪えられる作品だと思います。
2012年に ローマ教皇がベネディクト16世からフランシスコに交代する舞台裏での出来事を映画化した作品。史実ではベネディクト16世とフランシスコさんの対話は、フランシスコさんが教皇になった2013年以前には行われていないそうですが、さすがにお互い知り合いだっただろうし、映画の中でほど本格的に対話をしていなくても何かの打合せで顔を合わせて世話話をしたことくらいはあったでしょう。
この映画の特徴ですが、物語の大半がベネディクト16世とフランシスコさんの対話のシーンです。キリスト教の要職を辞めたいフランシスコさんvsフランシスコさんに辞めてほしくないベネディクト16世の対話が軸なのですが、お互いへの尊敬の念は維持しつつ、キリスト教の故事を織り交ぜて理路整然と自分の意見を組み立てる話し合いがとても知的で飽きさせません。失礼を承知で言うと、お年寄り二人で話し合っているだけの映画なのですが、それでも飽きさせないのは名優の技量によるものでしょうか。