天の向こう側

「アド・アストラ (Ad Astra)」観ました。

ブラッド・ピットトミー・リー・ジョーンズという一流の役者が主演で、映像の作りこみもばっちりです。宇宙の彼方に消えた研究者の父を探しに、同じく宇宙の彼方まで出かける物語で、名優の演技とシリアスな劇伴と精緻なCGで序盤はどんどん引き込まれるのですが。。。惜しい映画でした。

「月は資源を巡っての紛争地帯になっている」というセリフのもと、月面で主人公たちに完全武装の集団が襲い掛かるシーンでまず疑問が飛び出る。真空中の月面で活動できる装備をそろえられるほどの集団が、ただ車で走ってるだけの主人公たちに一体どれほどのモチベーションを感じたのかと。。。

十数年ぶりに再会したお父さんも研究に取り付かれたというよりは痴呆にでもかかってるような印象。天王星から地球まで約26億kmの距離を作中セリフの「72日」で到着してしまうのもちょっと近すぎる気がします。26億km÷72日≒時速150万kmなんだけど。それに天王星からの航海中に孤独に打ちひしがれる描写があるのですが、映画の主人公なんだから2ヵ月ちょいくらいの孤独は我慢しよう。

月面で襲われるシーンはカット、お父さんが宇宙に行った理由はもう少し作りこんで、天王星から地球まで何日かかったかは秘密にする。予算にインパクトのないほんの少しの修正で名作になる余地は十分あると思うのですが。

 


映画『アド・アストラ』予告編 9月20日(金)公開