歴史ものの映画について
去年は「ダンケルク」や「関ヶ原」などの骨太の歴史映画が出ました。ダンケルクは日本がほぼ関係ない外国のお話、関ヶ原はその名のとおり400年前の関ヶ原の戦いのお話です。要するに、ファンタジー映画とかSF映画みたいなもので、日本でふつうに暮らす人には別の世界くらい距離があるお話です。
これが太平洋戦争とか冷戦時代とか、まだ現代と地続きの時代が題材の話になると、「この映画を製作した国はこの出来事をどう捉えているか」というような、ストーリーの外での感情論が巻き起こってしまいます。日本が世界の国々と本格的に関わり始めた幕末すら、明治維新は本当に必要だったのかとか、西郷隆盛は実は英雄じゃなかったんじゃないかとか、まだまだ定説が根付いてません。ある出来事が「歴史」として定着するには300年かかる、と文学部の人から聞いたことがあります。
「47 RONIN」みたいに舞台は江戸で忠臣蔵が題材なのに主人公がキアヌ・リーブスで登場人物全員英語しゃべってるみたいな、ここまで史実をぶっちぎれると清々しいのですが。歴史観は人それぞれ。特に20世紀入って以降の近代の歴史を映画で扱うには、まだまだ時間が必要なのではと思います。
詳説日本史B 改訂版 [日B309] 文部科学省検定済教科書 【81山川/日B309】
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