笑えるアクション映画について②

「ジョニー・イングリッシュ/アナログの逆襲 (原題:Johny English Strikes Again)」観ました。

ジョニーイングリッシュシリーズはこれが3作目です。1作目は2003年で少し映像が古く、2作目「ジョニーイングリッシュ/気休めの報酬 (原題:Jony English Reborn)」はそれから10年目の2012年、一応続編ではありますがつながりはかなり緩やかです。

質の良いユーモアが多く、アクション映画なのですが最初から最後まで死人が出ません。コメディと言えど死者が出てしまうとユーモアではなくブラックユーモアになってしまうと思うのですが、本作にはそうした描写がなく、手放しで笑うことができます。今のところ僕が観たコメディ映画の中ではベストに入る面白さです。

大勢の人が泣ける映画や感動する映画は意外と簡単に作れるそうです。美しい情景や悲劇的な描写、感動的なBGMを入れればなんとなく泣けそうな画面を作ることはできます。反対に、笑える映画の方が作るのが難しいそうです。笑いの基準が人それぞれで、人によっては楽しく見える描写が別の人には不愉快に写ってしまうことがあるでしょう。笑える映画こそ作り手の技量が問われます。

驚いたのですが、監督のデイビット・カーは本作がデビュー作でした。誰でも笑える描写を作れる技量を持つ、この監督の次回作が楽しみです。

 


映画『ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲』本予告

 

笑えるアクション映画について

アメリカの経済紙「フォーブス」によると、ドウェイン・ジョンソンが今年もっとも稼いだ役者だそうです。8940万ドルだから90億円でしょうか。もう玄孫の代まで働かなくてすみそうですね。「ワイルドスピード」シリーズなどの最近の出演作は軒並み話題作だし結婚も決まったし公私ともに勢いのある役者です。

最近、ドウェイン・ジョンソン主演の「セントラル・インテリジェンス」という映画を観ました。ジャケットをみたら銃を持って写ってるドウェインの姿があるからきっとアクション映画なのかと思ったのですが、実はアクションを逆手に取ったコメディ映画でした。

高校時代は肥満でいじめられていた主人公(ドウェイン)がいつの間にかムキムキになり射撃・格闘技・話術・交渉術すべて一流のCIAの敏腕スパイとして活躍するお話です。

そもそも元プロレスラーで筋肉がありすぎるドウェインの体形自体がギャグなのと、主人公たちを追い詰めるCIAの捜査員たちも「これが監視映像だ」とか言いながらエロ動画を見せてしまったり、民間人に脅されただけでスナック菓子をぶちまけてしまったりと、どこか間抜けなところがあり、笑えます。それからアクション映画だけど人が死んだ描写が少ないのがいいところです。(ゼロならもっと良かったけど。)


『セントラル・インテリジェンス』予告編

 

柳の下の元気なドジョウ

マトリックスの4作目が製作決定したそうです。キアヌ・リーブスキャリー・アン・モスのキャストも変わらないそう。3作目の「マトリックス・レボリューションズ」で二人とも死んだと思いますがどうつながるのでしょうか。

マトリックスといえばカンフーのアクションと、静止と動作をうまく掛け合わせた映像が新しくて、世界中で大ヒットしたと思います。で、こういう大ヒットのあとには必ず亜流のような映画が製作されるのも大ヒット映画の宿命。

「forget the Matrix!!」という挑戦的な宣伝文句の「リベリオン/反逆者」という映画があります。なんかもう邦題からしてB級くささがプンプンします。ストーリーも「第3次世界大戦後の荒廃した世界で、統制された社会に戦いを挑む」みたいなストレートなお話なのですが、この映画に登場する「ガン・カタ」というこの映画独自の拳法がすごい。この映画がただの柳の下のドジョウで終わらなかった理由がこのガン・カタにあります。

なんでも、「ガン・カタは膨大な銃撃戦のデータ分析から生まれた戦法で、相手の動きは統計から予測でき、最大のダメージを最大の数の敵に与えることができる。そして敵の銃弾は弾道を予測して回避することができるのだ!」 だそうです。

仮説検定の作り方をようやく理解した僕としては統計学ってそんな便利な学問だっけ?と思わないでもないのですが、ガンカタを駆使してヴィランを次々と打ち倒していく映像は観ていてとてもスカッとします。

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契約上のはなし

スパイダーマンアベンジャーズから抜けてしまうそうです。ディズニーとソニーの契約が金銭面で折り合いが付かなかったとのこと。スパイダーマンは2002年~2007年までのサム・ライミ監督版が6部作予定のものが3作目で終了、アメイジングスパイダーマンは2作目で打ち切りと、どちらも不運な終わり方です。

トム・ホランドが演じる今回のスパイダーマンには3作目があるそうですが、MCUスパイダーマンのスーツはアイアンマンが数百億円かけて製作したという設定だけに、アベンジャーズの設定をなかったことにした作品世界でどのような物語になるのか気になります。

1作目「ホームカミング」では学力コンテストに飛び入りで優勝しちゃうアベンジャーズらしい秀才ぶりを発揮してたのに、2作目「ファーフロムホーム」ではイタリアが舞台なのに英語で押し通す普通の修学旅行中のアメリカ人高校生になってたから、3作目ではきちんと秀才ぶりを発揮しほしいけど。

ちなみにアメリカに住んでた人に聞いたのですが、この学力コンテストは実在のもので、優勝する人は本当に地頭の優秀な人ばかりだそうです。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3」みたいに一時期だけ監督が解雇されても「いろいろあってやっぱり元に戻しました」みたいな展開になってくれないかな。

 

インド映画について

インド映画の「あなたの名前を呼べたなら(原題:Sir)」を観てきました。

インド映画というよりは、インドが舞台のフランス資本の映画でした。全国に大きく展開してるチェーンの映画館じゃなくて、どちらかと言えば小規模な劇場で上映。こうした単館上映系の映画はいつソフト化するかわからないし、ソフト化したとしてもレンタル店やネット配信されるかどうかもわからず、上映してるときに観に行かないと次にいつ観られるかわかりません。

富豪の御曹司と住み込みのハウスキーパーの恋の話なのですが、御曹司がガードマン付きのリゾートホテルのような高級マンションに住んでおり、主人公のハウスキーパーの方は昔ながらの因習が残る寒村の出身です。実際のインドではまず考えられない状況だそう。実際のインドでは男女差別どころかカースト差別が根深く残っているそうです。

僕も勤め先の関係でインドの方から名刺をもらうことがありますが、本名じゃなくて略称やイニシャルしか載ってない名刺をもらうことがけっこうあります。本名がわかると自分のカーストがわかってしまい仕事にならないからイニシャルで通すようです。日本で暮らすインド人でもカーストを気にしなければならないから、インド本国でのカーストの習慣は推して知るべしでしょうか。

映画自体は中々前向きで明るい話で、わざわざ観に行って良かったなって思える映画でした。


映画「あなたの名前を呼べたなら」予告編

司馬遼太郎と新選組

今年の新潮文庫の100冊で司馬遼太郎の「燃えよ剣」の新装版が出ました。表紙が土方歳三のイラストに変わりました。

燃えよ剣土方歳三を主人公として、新選組が活躍して崩壊し、函館戦争で土方歳三が戦死するまでを描いた小説です。司馬がこの作品を執筆していた当時はまだ幕末生まれの人が存命でおり、幼い頃に本物の沖田総司に遊んでもらったという人にインタビューを行ったそうです。岡田准一主演で2020年に映画化。封切られたら観に行きたいと思います。

燃えよ剣」は新選組ものの小説では多分一番有名で人気のある小説ではないでしょうか。ちなみに司馬遼太郎の作品にはもう一つ、「新選組血風録」という新選組がテーマの短編集があります。燃えよ剣には架空のキャラクターとして土方歳三の妻が登場しますが、新選組血風録はフィクションの比率が高く、妻どころか主人公すらフィクションだったりします。

さて、この中の短編の一つが「御法度」というタイトルで映画になっています。短編ひとつで映画になるのか、あとビートたけし土方歳三と聞いてつい観てしまいました。めちゃくちゃ口の悪い土方を想像していたのですが、意外と演技に味があるふつうのおじさんでした。いや、新選組時代の土方はまだ20代のはずだからおじさんは変か。。。

御法度

御法度

 

 

今年のステイサム

2019年の僕の目標の一つがジェイソン・ステイサムの映画を全部観ることです。というわけで「ワイルド・スピード スーパーコンボ」を観てきました。

カーアクション映画のシリーズのスピンオフでワイスピ本編のキャラクターは出てこないのですが、僕の中ではシリーズの中で一番面白かったです(^^;; 続編ありそうな終わり方だけどぜひ続編もやってほしいな。とにかくステイサムとその相棒(ドウェイン・ジョンソン)が筋肉に物を言わせて暴れまくる金曜日の夜に余計なことを考えずにスカッと楽しめる痛快アクション映画でした。

ワイスピシリーズは本編が現在8作あって、ステイサムが出てくるのは6作目のラスト。本格的に活躍するのは7作目(スカイミッション)と8作目(アイスブレーク)です。ステイサムは登場当初はほんとに冷酷な殺し屋役なのですが、8作目では赤ちゃんを助けるために敵の飛行機に乗り込み、今回はテロリストから妹を守るために戦うなど、どんどんヒーロー的なポジションに変わっています。7作目で殺し屋だった件も後付けでポジティブな理由が付け加わるんじゃないかなあ。

さて、この「ワイルド・スピード」というタイトルは邦題で、原題は「The Fast and the Furious」です。僕としては邦題の方がかっこいいし映画のテーマをうまく表現できている名邦題だと思うのですが、シリーズがいくら重なっても原題の方にワイルドスピードのタイトルが浸透しません。英語ネイティブから見るとちょっとニュアンスが違うのでしょうか?